お話の続き。
あぁ〜
お腹いっぱい食べたー。
悩んだ末、
結局、お部屋のバインダーに
書いてあったお店へ行ってきた。
ご飯屋さんから、こぞら荘への道のりは
真っ暗で、何だか冒険気分で戻ってきた。
こぞら荘の夜は、
小さな灯りがいくつもついていて
この雰囲気もまた昼間と違って素敵だった。
階段手前の左の看板に書かれた
「森の宿」の表札もライトで照らされている。
ガチャ。
もう「ただいま」と言って
開けてしまいそうになる。
バブーシュを履いて、
冷蔵庫を開ける。
先程出る前に冷やしておいた
枇杷茶がちょうどキンキンに冷えていた。
さて、お待ちかねの…
そう、この夜の部屋の空気感も楽しみにしていたのだ。
お部屋の中の間接照明
机の上のアンティークライト
ベッドの間にあるライトと順番に灯していく。
思わずソファーに座って
あたりを見渡す。
…この絶妙な明るさが落ち着く。
何と言葉にしたらいいか..
ふわふわするような感覚。
まだお風呂も入っていないのに
急にうとうとしてきた。
〝何もしない贅沢〟
これは幼い頃には分からなかった感覚だ。
テレビも時計もない部屋、
果たして、今何時なのか。
見ることを忘れてしまうというより、
見る必要もないのだ。
まだもう少し夜は長い。