森の宿の物語 > 15話:アメニティと巾着

お話の続き。


ガチャ。

お部屋へ戻ってきた。

なんだかもう既にこの部屋に
愛着が湧いていて、家に帰ってきたような気分になる。

外へ出ていたので、
手を洗おうとしてハッとする。


「まだここの部屋に入っていない!」


ドアをスライドさせて、
入ってみる。

中には白い洗面台と、木の縁の素敵な鏡
お手洗いの上にはドライフラワーが飾られている。

お風呂は浴槽もあって、
身体を洗うスペースも広い。



…!?

ふと、洗面台にある巾着に目を向けた。

隣には小さな文字が書かれている。


〝巾着ごとお持ち帰りください〟


えぇぇぇ!?

いいの!?


表にはこぞら荘のロゴの女の子、
反対側には〝こぞら荘〟の文字が入っている。


そう、森の宿では、
歯ブラシ/歯磨き粉/シャンプー/コンディショナー
ボディースポンジ/ヘアゴム/コットン/綿棒/くし/剃刀
をこの巾着に入れ、ご用意をしております。

そして、このオリジナルの巾着を
ご宿泊の記念としてお持ち帰りいただけるのです。


先日、お部屋では出来る限り淡路島のものを
ご用意しているとお伝えしましたが、

もう一つのこだわりは、
〝いちいちかわいい〟というところです。

自分達が泊まってみてもワクワクするように、
あぁ..あれもこれもかわいいなぁって思えるように。
そう考えながら、ひとつひとつを選びました。


お帰りいただいた後、

リップなどの小物を入れたり、
身の回りのアクセサリーを入れたり、
モバイルバッテリーを入れたり、
お泊まりセットに使ったりしているなどと
嬉しいご報告をいただいております。


森の宿で過ごしたひとときを
お帰りになった後も思い出してもらえると幸いです。



おっと、そういや荷物も
適当に置きっぱなしだ。

あまりにもいろんなものに惹かれていたせいで
持ってきていた荷物を整理するのも忘れていた。

カーテンを閉めて、トランクをあけて、
ベッドに腰をおろした。

ん?


続きは次回。