森の宿の物語 > 19話:アイスクリーム

お話の続き。


あぁ〜お風呂上がりは
やっぱり気持ちいいなぁ〜

ドライヤーをする前に丸椅子に腰掛けてしまった。


首にタオルをかけて、
片手には冷やしておいた枇杷茶。

タオルは気持ちいいし、
枇杷茶はスッキリするし、
リネンの寝間着も薄くて気持ちがいい。


暖色のアンティークライトが薄暗く灯る机、

立てかけられた本をいくつかペラペラと見て
「みかんの木」の絵本をいつの間にか熟読。

そして、まだ全て読んでいなかった
バインダーに挟まれた情報を読んでいく。


え?

完全に見逃していた…

というより、今が絶好のタイミング。


〝冷凍庫にアイスクリームをご用意しております〟

の文字が。


なんだここは!

完全に欲しているものが
見透かされている!!


そう、お部屋の冷凍庫には、
「淡路島の恵」という
アイスクリームをご用意しております。

島民のソウルフードでもある淡路島牛乳で
作った島のアイスクリームです。


自身がお宿に泊まる時、
どのタイミングで、何があれば嬉しいか。

それを想像して、
こうしてご用意をしております。

全てが整っているわけではありませんが、
〝ほんの少しの幸せなひととき〟を
お部屋にちりばめている、そんな感覚です。


ぜひ、お風呂上がりに
ペロッとお召し上がりください。

あ、ちなみに、ここだけの秘密ですが、
お部屋の珈琲を少し濃く出して
アイスクリームにかけてアフォガードにしても
美味しいですよ!



…あっという間に食べてしまった。

お風呂あがりのアイスって至福すぎる。

さてと、
明日の旅の計画でも練りますか〜


ブォォォォォ..(ドライヤーで髪を乾かす音)



続きは次回。